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1913年 ドイツ ビオスコープ作品   
            上映時間59分
            封切=1914(大正3)年2月1日 
            横浜オデヲン座 
〈スタッフ〉
            原作、脚色・・・・・・ハンス・ハインツ・エヴァース
            監督・・・・・・・・・シュテラン・ライ 
            撮影・・・・・・・・・ギド・ゼーバー   
美術・・・・・・・・・クラウス・リヒター、ロベルト・A・ディートリヒ
            編集・・・・・・・・・ヘンリク・ガレーン 
〈配役〉
            学生バルドゥインとその分身・・・・・・・・・・・・パウル・ヴェゲナー 
ジプシーの娘リュドウシュカ・・・・・・・・・・・・リュダ・サルモノヴァ
          シュヴァルツェベルグ伯爵・・・・・・・・・・・・・ロータール・ケルナー 
伯爵令嬢マルギット・・・・・・・・・・・・・・・・グレーテ・ベルガー
          ヴァルディス男爵(マルギットの従兄弟で婚約者)・・フリッツ・ヴァイデマン 
いかさま師スカピネリ・・・・・・・・・・・・・・・ジョン・ゴットフト
〈解説〉
            「ハンス・ハインツ・エヴァース作のロマンティックな空想劇」というタイトルから始まる『プラーグの大学生』は、19世紀に活躍したフランス・ロマン派の詩人で劇作家でもあったアルフレッド・ド・ミュッセの詩「影」をモチーフとしてエヴァースが書いた六幕物の戯曲を原作とする1913年のドイツ映画です。目の前にある快楽を手に入れる為、悪魔に自分の〈影〉や〈魂〉を売ってしまうという物語の原型は、ドイツに古来から伝わる〈ファウスト伝説〉に見出すことが出来ます。
             
主演のパウル・ヴェゲナーは当時のトップ俳優の一人で、舞台中心に活躍していましたが、本作品が契機となって映画にも本格的に進出し、1920年の『巨人ゴーレム』では監督、脚色、主演の一人三役をこなしています。ちなみに、ジプシー娘を演じたリュダ・サルモノヴァはヴェゲナー夫人です。
           
ドイツで最も初期に作られた本格的劇映画の一つで、それまでは単なる見世物として扱われていた映画がこの作品によって「芸術」とみなされるようになったと云われています。
           
映画化にあたっては、原作者のエヴァースが自ら脚色を担当し、人間の心理と欲望、そしてホラー映画の要素も多分に含んだ、表現主義映画の先駆的な作品としてドイツ映画史上に特筆される作品となりました。
           
            「プラーグ」はチェコ共和国の首都プラハの英語読みであり、ベルヴェデーレ城やロブコヴィッツ宮殿、錬金術師横丁など、今もプラハの観光名所として遺る多くの歴史的遺跡で撮影が行われており、当時の古都の様子が伺えるのも本作品の楽しみのひとつです。
            
(松田豊)
〈略筋〉
            1820年のプラーグ。ここの大学生達は、皆、明るく愉快な日々を過ごしている。プラーグで一番の名剣士バルドゥインは、大学一の荒くれ男の異名も持っていた。ある日彼は、学生達の間で悪名高い変人スカピネリに「大当りの富くじか、遺産付きの金持ち娘でも世話してくれ」と言う。バルドゥインを慕うジプシーの娘リュドウシュカは、スカピネリの不気味な魔力をよく知っているので、最愛の彼の身を案じている。  
やがて、バルドゥインは伯爵令嬢マルギットの危機を救い近づきとなったが、彼女は従兄弟のヴァルディス男爵と婚約していた。バルドゥインは、自分は貧しい大学生に過ぎないと悟り、身を引くしかないと悩み苦しんでいる。すると、そこにスカピネリが現れ、バルドゥインを町一番の金持ち学生にしてくれた。但し、金と引き換えにスカピネリはバルドゥインの「影」を持って行ったのである。こうして、バルドゥインの新しい生活が始まるのだが・・・。
          
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